感知器の種類についてまとめました!

千葉県柏市を中心に関東圏で消防設備点検、防災設備工事を行っている防災通信工業です!


本日は火災報知器における感知器について詳しくご紹介いたします。



◆火災報知器の種類


火災報知器とは、火事が発生したことや、その場所を知らせるための設備です。この設備は、消防署やビルの管理室、防災センター、そしてビルで働く人やマンションに住む人々に火災の情報を伝えます。



火災報知器には2つのタイプがあります。


1.自動火災報知設備:火事が起きたことを建物内の関係者に自動で知らせる仕組みです。


2.公設火災報知設備:火事が起きた際に、人が手動で操作して消防署などに知らせる仕組みで、公的機関によって設置されます。


これらの設備は、火災時に迅速に対応するための重要な役割を果たします。




自動火災報知設備


自動火災報知設備とは、天井などに取り付けられた感知器が熱や煙、炎を自動で感知し、その情報を受信機に送る仕組みのことです。この設備は非常放送などを通じて建物内の人々に火災発生を知らせ、避難や初期消火活動を促すことで、被害を最小限に抑える役割を果たします。



自動火災報知設備には大きく分けて以下の2種類があります。


1.ビルなどの建物に設置される自動火災報知設備システム

このシステムは、感知器、発信機、受信機、非常放送設備などで構成され、これらが連動して動作します。


2.住宅用火災警報器

これは感知器が単独で動作し、煙や熱を感知すると音声やブザー音で人々に火災を知らせる仕組みです。主に一般住宅に設置されており、特に夜間に火災が発生した際、寝ている住人に知らせて早めに避難を促します。


住宅用火災警報器の基本的な仕組みはビルに設置される感知器と同じですが、2006年6月1日に改正消防法が施行され、新築住宅では居室や階段などに設置が義務付けられるようになりました。この法改正により、どの建物や住宅でも安心・安全に過ごせる環境づくりが進められています。




公設火災報知設備


公設火災報知設備とは、町中に設置された発信機のボタンを押すことで、火災発生を消防機関に知らせる装置のことです。この装置はゼンマイ仕掛けで動作しており、消防署などに設置された受信機によって、発信場所のみを特定することができました。


しかし、この設備には専用の通信回線が必要であったことや、消防機関が火災発生の事実と場所の情報しか把握できないという限界があったため、次第に必要性が薄れ、1974年に廃止されました。現在では法規上にのみ、その存在が残っています。


なお、ここからはビルなどで広く普及している自動化火災報知設備システムについて説明します。




◆自動火災報知設備システム


自動火災報知設備システム(自火報)は、感知器が煙や熱を自動的に検知し、その情報を受信機を通じて音響装置に伝え、警報音を鳴らして建物内の人々に火災を知らせる設備です。この設備は、迅速な避難や初期消火活動を促し、被害を最小限に抑える役割を果たします。


自火報は、感知器、受信機、発信機などで構成されており、一定以上の規模の建物や防火対象物では設置が義務付けられています。日常的に使われる「自火報(じかほう)」という略称でも知られています。



感知器

感知器とは、火災によって発生する熱や煙、炎を検知し、自動的に火災信号を発する装置です。感知器には熱感知器・煙感知器・炎感知器3種類があり、それぞれ検知する対象が異なります。火災が発生すると、熱→煙→炎の順に広がるため、検知対象によって感知器の種類や設置場所が変わります。


火災の初期段階ではまず煙が発生し、その後、可燃物に引火して熱が生じ、最終的に大きな炎へと広がります。

そのため、煙を感知する煙感知器は、火が燃え広がる前に火災を発見できる可能性があり、初期消火にとても有効です。一方、熱感知器は煙から火に移った後の熱を検知するため、差動する頃にはすでに出火している可能性が高くなります。


それでは、それぞれの感知器について詳しく説明していきます。




熱感知器


熱感知器とは、火災による温度の上昇を検知する装置です。煙感知器や炎感知器に比べて価格が安価ですが、熱を感知する仕組みのため、作動する時点ではすでに出火している可能性が高く、火災を早く察知する能力は煙感知器ほど高くありません。


熱感知器には「屋内仕様」と「屋外仕様」があり、軒下や厨房、湿気の多い場所には防水型の屋外仕様を設置します。また、特殊な環境で使用されることが多いため、防水・防湿・高温対応など、さまざまな種類が作られています。例えば、ミストサウナ室や岩盤浴室など、高温・高湿度の空間にも設置可能です。


感知器の感度にはランクがあり、

・熱感知器は特殊・1種・2種

・煙感知器は1種・2種・3種


と分類され、感度の高さは特殊>1種>2種>3種の順になります。


設置の際には、まず感度の高い感知器が作動して非常ベルを鳴らし、その後、感度の低い感知器が作動して防火戸や防火シャッターを動かすように設定されます。これは、建物内の人々がスムーズに避難できるようにするための仕組みです。


また、熱感知器には「差動式」「定温式」の2種類があり、それぞれの火災の熱を検知して受信機に信号を送ります。


定温式スポット型感知器は、一定の温度を超えると熱を検知し、警報を発する感知器です。湯気や煙には反応せず、温度が70℃以上に達したときに作動する仕組みになっています。


火災の検知速度は差動式感知器よりも遅いため、主に湿度の高い場所に設置されることが多いです。


この感知器の特徴として、表面に銀色の集熱板(アルミ製)が剥き出しになっている点が挙げられます。



差動式スポット型感知器は、周囲の温度が急激に上昇すると、内部の空気が膨張し、それを検知して作動する感知器です。


ただし、感知する温度は一定ではなく、火災による急激な温度上昇には反応する一方で、緩やかな温度上昇の場合は「リーク孔」と呼ばれる穴から空気を逃がし、誤作動を防ぐ仕組みになっています。


この感知器の特徴は、白い円盤状で全体的に丸みを帯びた形状です。温度変化の少ない居間や各居室、事務所などに設置されることが一般的です。




煙感知器


煙感知器は、火災の初期段階で発生する煙を感知する感知器です。早期に火災を察知できるため、初期消火に非常に有効ですが、構造が複雑なため熱感知器よりも価格が高いという特徴があります。


また、検出部に結露すると正常に作動しなくなるため、屋外での使用は禁止されています。


煙感知器は、火災の初期段階で作動するため広く普及しており、特に消防法で「無窓階」に該当する特定用途建築物には設置が義務付けられています。例えばカラオケ店の全客室には、消防法により煙感知器の設置が義務づけられています。


煙感知器には光電式スポット型感知器光電式分離型イオン化式の3種類あります。



光電式スポット型感知器は、光の乱反射を利用して煙を検知するタイプの感知器で、煙感知器の中でも一般的に広く普及しています。


この感知器の特徴として、網で覆われた隙間があり、そこから煙を感知して作動する仕組みになています。ただし、

小さなホコリや虫が入り込むと、誤作動することがある点に注意が必要です。


内部にはLEDが常に発光しており、煙によって光が屈折し、LEDの受光部に光が入ると火災と判断されます。


また、一か所に熱源が集中する厨房などに設置すると、より効果的に火災を検知できます。


光電式分離型感知器は、光を発する「送光部」とそれを受け取る「受光部」が向かい合って設置されるタイプの煙感知器です。


通常、送光部から発射された光線を受光部が常に受信していますが、その間に煙が入ると光が遮られ、受光部が光の減少を検知することで煙を感知します。


この仕組みから「減光式」とも呼ばれ、最大100mまで離して設置可能という特徴があります。


イオン化式スポット型感知器は、放射線の電離作用を利用し、煙による電離電流の変化をするタイプの煙感知器です。


他の方式に比べて高感度で、費用対効果に優れているため、海外では煙感知器の主流となっています。


ただし、アメリシウム241という放射性物質を含んでいるため、日本では使用後の適切な廃棄処理が必要になります。




炎感知器


炎感知器は火災時に発生する炎が放射する紫外線や赤外線の変化を検知して火災を感知する装置です。炎には可視光線のほかに紫外線や赤外線が含まれており、その変化が一定以上になると作動します。


炎感知器には「紫外線スポット型感知器」「赤外線スポット型感知器」の2種類があります。


紫外線スポット型感知器は、即応性に優れているものの、家具などの障害物があると炎を検知できない場合があります。また、他の感知器と比べて消費電力が大きいため、電池では長時間の使用が難しいという特徴があります。


炎感知器は、天井が高く、煙や炎が拡散しやすい劇場や映画館などの大空間の施設に設置されることが一般的です。



まとめ


火災報知器は建物の規模や用途に応じて適切な感知器を設置することが重要です。

特に煙感知器は火災初期の検知能力が高く、防災対策の要となります。



防災通信工業ではみなさまの消防設備の予防保全をしっかりサポートするために、自社で消防設備点検や消防設備工事を設計から届け出まで一気通貫で行っておりますので、ぜひお気軽にお問合せください!